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「2歳児担当」保育士が親から求められること

更新日:2018年12月15日

発達速度が速い「2歳児」

2歳児という時期は、身体的にももちろんのこと、自我などを含めた心身ともに急速に発達していく時期でもあります。保育士に話を聞いてみると、「2歳児がいちばん大変だよ」という方も少なくないんだとか。
急速に発達する時期でもある分、保育士もそうですが、保護者の方々も関わり方に悩むタイミングでもあるわけです。保育士は子どもとの関わり方もそうですが、預かっている以上、保護者とのコミュニケーションも大事になってきます。
2歳児に限ったことではありませんが、それぞれの年齢の発達の特徴や気をつけることなどを事前に把握しておくことで、子どもとの関わり方に頭を悩ませることなく、また特別に難しく考えることもなく、丁寧かつ愛情と余裕を持って接することが出来てきます。
今回は、保育園で2歳児クラスの担任になったら、保育士が意識したいことや2歳児の子どもならではの発達の仕方、また、親から求められることなどを紹介していきます。

2歳児の特徴は?

・身体的、知能的、また精神的にも発達していく時期

2歳児の子どもの特徴は、日常生活の中で服を着替えることがスムーズになってきたり、自ら尿意を感じてトイレに行くことが出来るようになったりと、子どもがひとりで出来ることがどんどん増えてくる時期です。
運動機能の発達もそうですが、同時に自我が出来てくることにより、ひとりで出来ることが増えて、さらにはそれらを「自分でやりたい!」という意思が出てきます。
コミュニケーションに関しても、相手が何を話しているかがわかり、自分の気持ちも少しずつ言葉に出来るようになってくるので、言葉によるコミュニケーションも次第にとれるようになってきます。

・第一次反抗期の「イヤイヤ期」

そして、第一次反抗期とも定義される「イヤイヤ期」。2歳児の大きな特徴のひとつです。
イヤイヤ期は、子どもが自ら出来ることが増えてきたり、コミュニケーションを取れるようになってきたりと、子ども自身が色んなことに興味や関心を持ち始めることにも起因しています。
いわゆる「好奇心」を持ち始めることで、様々な疑問を抱き、好奇心ゆえの「イヤイヤ」が多くなってきます。
例えば、「まだ友達と遊んでいたい!」「食べたくない!」などのイヤイヤ。こういった場合は、「そうなんだね」「まだ遊びたいね」など、まずは子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。受け止めた後、子どもの好奇心を切り替えてあげる。例えば「遊びもいいけど、ご飯の準備ができたよ!今日のご飯はなんだろう?」など、遊びからご飯などへ好奇心を切り替えてあげることがポイントです。
好奇心を切り替えさせるときは、全く違うキーワードを投げかけてみることや、スキンシップを取りながら声をかけることも大事です。安心感は、そのまま信頼感に繋がります。
これらのことからもわかるように、2歳児の発達は身体的にも、知能的にも、また精神的にも大きく成長していく時期なのです。
また、保護者からしてもこのイヤイヤが手をつけられないんだとか。子どもが一人目の保護者さんだと、なかなかうまくいかず疲れる方が多いそう。なので、子どもを多く見る機会のある保育士の皆さんが、「イヤイヤ」は自我がしっかり育ってきて好奇心が芽生えた証拠であること、また関わり方のコツなどを伝えてあげることが、2歳児の保護者さんのケアにも繋がりそうです。

2歳児を担当するときの注意点

・運動機能が発達する時期なので様々な遊びを取り入れよう!

先述した通り、2歳児は、心身ともにですが特に運動機能が大きく発達していく時期でもあります。なので、様々な遊びを通して好奇心を刺激し、心身の成長のきっかけをつくってあげることも大切です!
バランス感覚を養ったり、体幹を鍛えたりするのにはボール遊びがオススメ。鉄棒など簡単な遊具を使った遊びも、体幹が鍛えられます。また、手先も少しずつ器用になってくるので、ちぎり絵をつくってみたり、お絵かきも少しずつ上手になってきます。
2歳を超えたあたりで、ルールのある遊びやごっこ遊びなどで、社会性も身につきます。
ただそのぶん、今まで以上に思いっきり走って動き回ることができるため、あらかじめ周囲に危険がないかなど、注意が必要です。ヒヤリハットをなくして、安全安心に遊びを取れ入れていきましょう!

・「自分でやりたい!」を大事に。グッと我慢して、ひとりでやらせてみる。

2歳児になると、着替えだったりトイレに行くことだったり、なんでもひとりでしたい!という気持ちが育ってきます。
ここで大切にしたいのは、できるかぎりこの気持ちを尊重してあげること。
もちろん、大人が手伝ってあげるよりも数倍の時間がかかりますし、思うようにできないこともあり、子ども自身もイライラしてしまうときもあるでしょう。
しかし、できるだけグッと我慢して見守りましょう。時間がないときは「ここまでひとりで出来たね!あとはお手伝いしてもいい?」など声をかけて、あるポイントから手伝ってあげましょう。少しでも、ひとりで出来た!という達成感が子どもの向上心や、次へのチャレンジにつながります。
また、この「ひとりでしたい!」が保護者の方からの悩みが多いポイント。むやみに全部してしまうのではなく、あるポイントまではひとりでさせるなど、我慢して見守る大切さも伝えてあげましょう。

おわりに

2歳児担当で求められるのは、
子どもを信頼して我慢すること

運動機能の発達や、精神面での発達により生まれる「イヤイヤ」と「ひとりでしたい!」という気持ち。あくまでもこの2つの感情は成長の過程であり、2歳児の子どもが成長していく上で大切なポイントになってきます。
「イヤイヤ」「ひとりでしたい!」共に、グッと我慢して見守ってあげること。すぐに手を貸したくなってしまったり、怒ってしまったりしがちですが、子どもを信頼して見守り、適切なタイミングで声をかけてあげましょう!