幼稚園、保育園、認定こども園など、保育士の資格を活かせる現場は多数存在します。転職先を探す上で、なかなか検索にあがってこない認可外保育施設。認可がないということで避けられている方もいると思いますが、素敵な所がたくさんあります。認可外保育施設の仕事内容、働き方、創られた方の想いなどを「いろは保育園」のK先生に伺いました。
Q.認可外保育施設とは?
児童福祉法上の保育所に該当しない保育施設であり、認可外保育所とも呼ばれる。設置には児童福祉法第59条の2[11]による届出が必要とされる施設である。無認可保育所と呼称されることもある。また、児童福祉法第24条による「その他の保護」を行う施設として公的に扱われる施設もある。
ベビーホテル、駅型保育所、駅前保育所等のいわゆる無認可保育所の他、その他の法令や通知で規定された事業所内保育所、病院内保育所、へき地保育所(市町村が山間部等に設置)、季節保育所がある。認可外保育施設が3歳未満児の保育、延長保育や24時間保育の受け皿となっているケースもあり、今後も、認可外保育所の保育の質とサービスの向上を進めていくことが期待されている。
Q.保育施設を設立された理由は?
K先生:お客様との交流の中で、多くの方が子育てと仕事のバランスに悩み、一人で抱え込んでいることを知りました。仕事を通してでも保護者の抱える問題に寄り添うことや、子どもたちに居心地の良い空間を提供することはできるけれど、それは一時的なものでしかない。保護者や子どもたちともっと深く関わるために保育の現場を作りたいと思い、認可外保育施設を設立することに踏み出しました。
また、働かないと保育園に子どもを預けてはいけないという考え方が現代でもまだ根強く残っています。実家に子どもを預けるみたいにもっと気軽に子どもたちを預けられる場所を作りたいと思い、設立に至りました。
Q.なぜ認可外保育施設なのか?
K先生:認可保育施設だと様々な規定やルールがあります。その規定は安心感をもたらしますが、枠組みが窮屈に感じてしまう面がありました。認可保育施設ではすることが難しいカリキュラムや仕組みで運営したかったため、あえて認可外保育施設として創ることを決めました。
具体的には、保育指針は教育先進国とよばれる北欧の基準を取り入れました。行事のための練習や毎日繰り返されるデイリープログラムをやめ、自分のやりたいことを選択して過ごせるような環境作りをしています。また、外部から専門の講師を招いて、様々なことに興味を持ち、物事を深く学べる子どもを育てています。
Q.保護者への支援や対応に関しては、何か違う点は?
K先生:より気軽に子どもたちを預けられるように考慮しています。具体的には認可保育施設では各家庭から持参することが多いオムツや着替えは園で用意し、持ち物なしで登園できるようにしています。また連絡帳はアプリを導入し、写真などを通してよりリアルに子どもたちの様子を伝えられるようにし、保護者の方が安心して子どもたちを預けることができるようにしています。
Q.保育士の仕事内容について異なる点は?
K先生:保育士が働きやすい職場作りを心掛けています。保育士の職離れの主な要因は、残業や低賃金、職場の人間関係だと言われています。この要因を解消するべく、園では次のような取り組みをしています。
残業の多さの要因は、行事のための準備と書類です。行事は元々設定せず、スタッフの提案や子どもの様子に合わせて設定するようにしています。書類は、電子化し、筆記の書類は最小限にして時間内に負担なくこなせるようにしています。
また、職場の人間関係はシフト制で全員が揃うことは難しい職場なので、チャット等を使って情報共有やコミュニケーションをとれるようにしています。さらに週に1回ミーティングの場を設け、情報共有や意見等が言いやすい環境を作るように心がけています。
また一人一人の得意なことが活かして保育できるような環境を設定しています。例えば、絵が得意な先生は絵を描く、体を動かすことが得意な先生はリトミックをするなど認可保育施設では一人で全てをしなければいけないことを分担し、得意なことを存分に活かせるようにしているのも認可外の特徴かもしれません。
おわりに
「認可外」という言葉のイメージで、認可外保育施設はよくないというイメージを持たれていた方もいるかと思いますが、作りたい保育園や提供したいサービスのために認可外保育施設を選ぶこともあるということを知りました。
認可外保育施設はそれぞれの園ごとで提供しているサービスや保育に対する考え方が大きく違います。認可保育園に比べて保育料の値段が高いところが多いにも関わらず保護者に選ばれ続ける理由は、それぞれの園の特色に魅力があるためだと思いました。見学や視察も可能なことが多いようです。謎に満ちた認可外保育施設、気になる園を発見したらぜひ一度体験してみることをお勧めします。
取材した保育園
名古屋市中村区名駅から10分の「いろは保育園」
子育てしながら働く誰もが笑顔になれる保育園/託児所を目指します。
https://www.iroha-hoiku.com/