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「0歳児担当」保育士が親から求められること

更新日:2018年11月30日

保育園ならではの「0歳児」担当

保育園で働く保育士は、さまざまな年齢の子どもたちの成長をサポートしますが、幼稚園との違いとして、生まれて間もない「0歳児」の担当があるということ。可愛さはもちろんですが、生まれて間もないぶん、もっとも緊張感を持って気を配った保育をする必要があります。

また、0歳児はほとんど分別がつかないので、保育士さんのちょっとした気のゆるみが子供の安全を脅かすことも少なくないでしょう。

今回は、保育園で0歳児クラスの担任になったら、保育士が注意するべきことや0歳児の子どもの発達の特徴、親から求められることなどをまとめました。

0歳児を担当するときの注意点

安心させるために、まず安全を確保する

0歳児は、人との愛着を育てる大事な時期とも言えます。生まれて間もない中、家族と離れて心細さを感じている中で、保護者も子どもも安心させることがまずポイントです。

安心させるために、必要なもののひとつは「安全」です。

特に0歳児は、SIDS(乳幼児突然死症候群)の可能性やおもちゃの誤飲など命に関わる危険が他の年齢よりも潜んでいるため、午睡時は5〜10分に一回の呼吸確認、おもちゃの誤飲防止対策などが保育中に欠かせない大事な仕事の一つです。

また、0歳児の救急搬送のトップは「転落」事故だそう。年間約500人が救急搬送されています。その転落の事故発生の要因上位は「ベッド」「人」「階段」「ソファ」「イス」です。大人にとっては大して高い場所でなくても、0歳児にとっては落ちたら怪我をする恐れのある高さであることが多いため、注意が必要です。園内にハイハイや伝い歩きで登れるものがないか、十分に確認しましょう。

0歳児を預ける親が気にすること

子どもたちが新しい生活をスタートさせるということは、保護者も新しい生活をスタートするということです。特に0歳児の場合、生まれて間もないぶん、自分の子供を預けるうえで気になる点などがたくさんあると思います。

そのなかでも特に多かったのが「授乳」のこと。保育園に預けるとお昼間の授乳ができなくなるため、どうしたらいいの?という声が多いそうです。

もちろん、断乳していただいて哺乳瓶で飲ませるようにするのがですが、断乳するのは、子どもだけでなくお母さんにとっても大変なことです。心的負担、体の負担に配慮し、どうやったらスムーズな断乳ができるかを一緒に考えていきましょう。

「哺乳瓶で飲ませる練習をしておいてくださいね」だけではなく、「ミルクを飲む時の癖はありますか?」「お母さんも大変だとは思いますが、少しずつ哺乳瓶に慣れるようにしていきましょうね」など、寄り添った形でのサポートが望ましいです。

また、0歳児保育に関して、現在も賛否両論の「三歳児神話」に象徴されるように、「赤ちゃんは母親が育てるべき」という風潮は現代の日本でも厳然と残っています。そのため、「0歳児なのに保育園に預けるなんて」と自分を責めるお母さんも少なくないかもしれません。子どもと親と、両方の安全・安心をきちんとサポートすることが、0歳児保育のポイントのひとつです。

0歳児担当で求められるのは、
コミュニケーションとスキンシップ

0歳児担当で求められることのひとつが「コミュニケーション」です。

0歳児は言葉によるコミュニケーションが取れませんから、何を求めているのかを汲み取ってあげられるのは保育士次第となります。お腹が減っているのか?オムツを変えて欲しいのか?どこか痛いのか?不安なのか?といったことを読み取り、欲求を満たしてあげなければいけません。

言葉の話せない0歳児は「泣く」ことが自分の気持ちを伝える唯一の手段ですので、保育士はわずかな泣き声の変化などにも注意して接することが大切です。

また、0歳児から言葉の獲得が始まっているので、早口にならないようゆっくり丁寧に目を見て話しかけるよう注意しましょう。1歳前後にもなると大人の言うことに少しずつ理解を示し、簡単なやりとりができるようになってきます。

同じフレーズで、わかりやすい言葉かけをすることで、普段の生活の中でも子どもたちが主体的にできることを増やしていきましょう。

また、0歳児は人との愛着を育てる大事な時期でもあります。まだ言葉によるコミュニケーションを取ることはできませんが、保育士の表情や雰囲気で「この人は安心できる」などを感じ取る能力は十分に備わっています。そのため、前述したコミュニケーションはもちろんのこと、スキンシップもほどよく取りながら接することで、安心感や信頼感を持たせることができます。例えば、抱っこも優れたスキンシップのひとつです。たくさん抱っこしてあげることで、子どもとの絆も深まります。

おわりに
安全と安心を親子両方に与えること

0歳児を保育する上で、大切なことや注意点を挙げてみましたがいかがでしたでしょうか?

生まれて間もないからこそ、子どもはもちろんのこと、親に安心してもらうことも重要なポイントです。やはり親子は繋がっているので、どちらかが不安だとそれが影響するものですね。安心してもらうためにも、安全をきちんと確保し、そのうえでスキンシップやコミュニケーションを行なっていく。

可愛さに癒されながら、安全安心のもと、たくさんコミュニケーションを取っていきましょう!