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「3歳児担当」保育士が親から求められること

更新日:2018年12月30日

新年度が始まって約半年が経過しました。子ども達もそして保育士も新しい環境に大分慣れてきたのではないでしょうか?
保育未経験の方や、幼児クラスが初めてという方にとっては怒涛の数か月だったことでしょう。「楽しい!」だけでなく、3歳児クラスは1人で見る子どもの人数が20人程度まで増え不安を感じる時もありますよね。今回は3歳児クラスを任される担任として意識することや、親から求められることなどを紹介します。

3歳児を担当する時の注意点や関わり方

・どんなことに気をつけたらいいの?

未満児と比べて3歳児クラスは1人で見る子どもの人数が一気に20人程度まで増えます。その為、子ども達がどこで、何の遊びをしているか常にアンテナを張り巡らせて危険のないよう把握しておく必要があります。
また3歳児になれば高い所へ登れるようになりチャレンジ精神で大人が思わず声をあげたくなるような遊びを展開することも。恐るべし3歳児。そしてすごいゾ、3歳児。(笑)
そしてもしそんな危険行為があった時には、どんな遊びをしたかったのか、子どもの声に耳を傾けてあげましょう。初めから頭ごなしに「ダメ!」と言われたら大人でも悲しくなってしまいます。
話しを聞いた上で「高い所からジャンプしたかったの!」などと、子どもが訴えてきたら、代わりになるものを提供してあげると良いでしょう。(例えば、サーキットコーナーを作ってあげ、この跳び箱の上からなら何回でもジャンプしていいよ等)発散できる場所が確立されていることで子どももリフレッシュできます。

・学ぶは真似から

日々色んなことを吸収していく3歳児。異年齢児から刺激をうけて遊びを真似てみたり、言葉を真似てみたり…。もちろん保育士の行動や言葉だってしっかりと聞いています。
「先生あの子が泣いていた時にこうやって言っていたな」「こういう場面ではいつもこう言うな」など、遊びに夢中になっているようで1番近くでいつも言葉の勉強をしています。
実際に私はよく「~してごらん。」というのが口癖みたいで…(笑)子ども達はよく家に帰って「パパ!これ食べてごらん!」と父にご飯をすすめたり「ママもやってごらんよ!」なんて言ったりしていたみたいです(笑)言葉遣い、行動には気をつけて!できるだけ子ども達の見本になるように心がけましょう。

・「ねぇ!走らないで!」こんな時どうやって対応したらいい?

部屋の中をずっと走る!子ども同士でぶつかっちゃう!こんな時「走らないで!」とつい口に出てしまいますよね。そんな時に魔法の言葉があるんです。それは…「歩いて!」
え?それの何が魔法の言葉?と思う方も多いでしょう。「走らないで!」など「〇〇しないで!」と否定された言い方より「歩いて」や「止まって」と具体的な見通しを与えたほうが分かりやすいかもしれません。
実はこれは他の場面でも同じです。「泣いているとお母さんお迎えに来ないかもよ!」(〇〇しないと〇〇できないからね!)という否定からの否定よりも「おやつを食べたらお母さんがお迎えにきてくれるからね。」(〇〇すると〇〇できるよ)という肯定からの肯定の方がスっと心におちる子が多いと言われています。
しかし、実際に自分に余裕がない時にはついつい否定がでてしまうことも…。色んな場面で使えますので自分に無理のない程度に試してみてくださいね。

・「なんで僕怒られたの?」そうならないために

3歳児をもつ上で1番大切なのが信頼関係の構築です。信頼関係ができていない時に叱っても「知らない人に何か怒られた(唖然)」と子どもの中に怒られた記憶だけが残ってしまいます。
叱ると怒るは同じようで違います。こっちは叱っているつもりでも信頼関係ができていなければ子どもの中ではよくわからないけど怒られたになってしまうのです。線引きが本当に難しいのですが、思わしくない行動を見つけたら繰り返し言い聞かせていくのがいいでしょう。
それでも聞いてくれない時は魔法の言葉「私は大人。」(笑)これを何回も気の済むまで唱え一旦冷静になりましょう。 信頼関係が確立されたら沢山叱ってあげてくださいね。

・3歳児を預ける親が気にすること

かわいい我が子が保育園に…。心配でたまりません。近年、保育士に求められることも増えてきたように思えます。私があげたいのは主にこの6つ。

  • 子どもに寄り添いながら保育してほしい
  • 沢山の物、人に触れ経験の幅を広げてほしい
  • 園での子どもの姿をおしえてほしい
  • ルールや社会性をしっかりと身につけさせてほしい
  • 保育士の柔軟な対応・元気な笑顔での対応
  • 怪我や事故がないように努めてほしい
  • 共働きが主流になってきた現代では様々なニーズにできるだけ応え、子ども達だけでなく保護者にも寄り添って子どもを共に育てていくのも私たちの役目です。

    3歳児担当で求められること

    ・保護者とのよい関係維持を

    年少の先生とは殆どの保護者、子ども達にとって「最初の先生」になります。ここで先ほど、「親から求められること」であげた柔軟な対応が必要になってくるのです。
    例えば、仮にAくんが高いところから飛び降りることや少し危険のある遊びが好きで、その様子をやんわりと保護者に伝えたい時には「Aくんってすごくチャレンジャーでね!高い所からジャンプするのが好きみたいですが、高さもあって心配です。お家ではそういう姿ありますか?」と、Aくんの良いとこも伝えつつ、お母さんにも考えてもらうきっかけを作りましょう。お母さんにとっても最初の先生なので育児批判だけはしないように気をつけていきたいですね♪

    ・トイレトレーニングや箸への移行

    3歳児担当で保護者から求められることに、トイレトレーニング、箸への移行、衣類の着脱、食事マナー等の話しをよく耳にします。もちろん協力はさせていただきます!が、「保育園で全部やってくれるから~」は少し違う気がします。 そんな時は、クラスだよりにスプーンから箸への移行順番や衣類の畳み方などイラストつきで載せてみるのもおすすめ。個人的に、オムツは親の仕事だと思うのでなるべく外してきてほしいのが願いです。 もしクラスにオムツ使用のお子さんがいる場合は、排尿間隔を把握しこまめにトイレへ誘ってみましょう!オムツが濡れていない時がチャンスです。トイレで排尿できた際には大いに褒め自信に繋げていきたいですね。

    おわりに

    ・世界が広がる3歳児

    この時期は自分の行動を誇示する気持ちが強くでてきます。その気持ちを認め、力を伸ばしていってあげたいですね。最後になりましたが、悩みは一人で抱え込まず先輩保育士に相談しましょう。良いアドバイスや自分を救ってくれる一言に出会えるかもしれません。ちなみに私を救ってくれた先輩保育士の一言は「悩みながらする子育てが一番の正解」です。