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ベテラン保育士さんにインタビュー!どんなことでイライラするの?

更新日:2019年4月10日

保育士という職業に、夢と希望を持って目指している学生の皆さん。
保育士は人間を相手にする職業なだけに、日々いろいろなストレスを抱えています。ただ子どもと楽しく過ごせる仕事、と思っている方は要注意です。中には、1人でストレスを抱え込みすぎて、誰にも相談できずに辞めていってしまう方も。

今回は、保育士として約10年勤務し、多くの経験をされてきた「Hさん」に、実際にあったストレス事例を伺いました。保育士なら誰しも1度は経験するあるある事例ばかりなので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

園児との関わりでストレスの溜まること

まずは、保育士として基本となる園児との関わり、その中で抱えやすいストレス事例をお聞きしていきましょう。

何度注意しても前進しない子ども
Hさん:正直なところ、子どもは好きなので、私は子どもとの関わりでストレスの溜まることはほとんどありません。そもそも、保育士のほとんどは子どもが好きだからなるわけですから、子どもでストレスが溜まっていたら、まず保育士は続けられないかな。でも、あえて挙げるとするなら、何度注意しても前進しないときはストレスになりますね。子どもだから仕方ないけど。

―園児のことを本気で気にかけているからこそ怒ることはあっても、関わりの中でストレスになることはあまりないようです。

保護者との関わりでストレスの溜まること

次は、保育士としては外せない保護者との関わり、その中でよくあるストレス事例ついてお聞きしてみましょう。

・保育士の説明を聞いていない保護者
Hさん:保育士の説明を聞いていない保護者にはストレスが溜まります。ただ聞いていないだけなのに、あたかも説明されていないかのように怒られるとより辛いですね。あと、配っているはずのプリントを、さも渡されていないかのように話されることもよくあります。1人にだけ渡していないなんてことはまずないはずなんですけどね。

―神経質なほど報連相が重視される教育現場において、説明しても聞いてもらえない状況は相当なストレスと言えます。

子どもの話を鵜呑みにする保護者
Hさん:自分の子どもの話だけを鵜呑みにする保護者というのも大変です。例えば、子どもが泣いて帰ってきたときに、相手側が100%悪いものとして説明を求めてくる保護者とか。子どもはどうしても自分に都合のいいことを話しますから、双方の話を聞いてからでないと結論は出せませんよね。どのような結果にも、前後のシュチュエーションがあるはずです。

―保育士は公平な立場である必要が。だからこそ、我が子を優先しすぎる保護者はストレスになりやすいのでしょう。

同僚との関わりでストレスの溜まること

次は、保育士として同じ環境にあるはずの同僚との関わり、その中でのストレス事例をお聞きしていきましょう。

・相手の状況を把握していない同僚
Hさん:自分優先で、相手の状況を把握せずに指示してくる同僚はストレスですね。自分のクラスが落ち着いていないときに、何か指示されても対応できませんし。特に、私は仕事に優先順位をつけているので。優先順位の低いものを指示されても、今それをする必要があるのかな?と戸惑ってしまいます。

―保育士はチームプレーと言われまずが、まずは自分のクラスが最優先なはず。視野の狭い同僚がいると苦労しそうです。

・妊娠したときに心ない発言をする同僚
Hさん:妊娠を報告したとき、同僚から『ちょうど出産の時期が運動会だね…』と言われたときは辛かったです。確かに、大きな行事とかぶったのは申し訳ないですが、他に言うことがあるのではと。保育士は良くも悪くも女性の職場。だからこそ結婚、妊娠というのはデリケートな問題で、気を使っている保育士は多いと思いますよ。

―確かに、保育士は女性の割合がとても多い職業。女性同士、気持ちを分かり合えるときもありますが、女性ならではのストレスもつきものです。

・子どもの行事を受け入れられない同僚
Hさん:自分の子どもの発表会、運動会、卒園式に出られなかったときは相当なストレスでした。保育士だからこそ、各行事で保護者が来たときの嬉しそうな子どもたちを知っているわけで。自分の子どもの気持ちになったとき、とても申し訳なくなりました。自分の生活を犠牲にしている、と感じたときは本気で辞めたくなりましたね。

―保育園の行事は他と被りやすいもの。ただ、保育士も我が子の前では保護者で、割り切れない気持ちも分かります。

家族との関わりでストレスの溜まること

最後に、保育士にとっての心の支えであるはずの家族、その中でよくあるストレス事例をお聞きしてみましょう。

・家のことが女性に任せっきりな夫
Hさん:家のこと、自分の子どものことを私(女性)に任せっきりな旦那はストレスですよ。私の場合は朝5時に起きて身支度を整えて、子どもに朝ご飯を食べさせて7時には出勤。夕方7時に仕事が終わって子どものお迎えをして、夕ご飯の準備をしてって…。正直、仕事と子どものことだけで手一杯、旦那にはもっと協力的になってほしいと思っていますね。」

―女性の社会進出が進む反面、今だに家庭のことは女性にという風潮があります。これは保育士さんだけの悩みではないかもしれませんが、昔よりも女性の負担が大きいように感じます。

おわりに

保護者、同僚、家族と保育士の抱えるストレスの大半は人間関係に関わるものということが分かりました。反対に、もっとも保育士と関わりのある園児たちに対して、いくら子ども好きだからとストレスをあまり感じていないことには驚きです。

適度なストレスはいい刺激ですが、過度に抱え込むと耐えられなくなってしまいます。ただ、保育士は人間相手なだけに、他の職業よりもストレスが溜まりやすいのは確か。だからこそどう上手に付き合っていくのか、回避するかがポイントです。

ぜひ、紹介したあるあるストレス事例を参考に、保育士として楽しく続けられるよう適度な息抜きも考えてみてください。