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保育士に求められる適性とは? 目標は〇〇なスキルの取得【現役保育士インタビュー】

更新日:2019年3月19日

保育士を目指している学生さん、現役の保育士の皆さん。
「自分って保育士に向いているのだろうか?」と悩んではいませんか?保育士というのは園児だけでなく、保護者や同僚(保育士)など、人間との関わりが重要な職業です。だからこそ保育士の現場に求められるスキルがあるはず。

今回は、保育士として15年勤務されている「M先生」に、保育士に求められるスキルや適性などについて伺いました。ズバッと率直な意見をお聞きできたので、ぜひ今後の保育士生活の参考にしてみてくださいね。

Q.先生が考える保育士に求められるスキルとは?

日々、何十人もの園児たちと触れ合うだけに、保育士は子ども好きな方が多い印象です。しかし、ただ子ども好きなだけでは、保育士として十分とは思えません。では、橋本先生が考える、保育士に求められるスキルって何でしょうか?

・子どもを惹きつける面白いものを探せるスキル
M先生:子どもたちにとって社交辞令なんてないですよね。子どもはとてもシンプルで。面白ければ惹きつけられて、つまらないものには興味を示しません。園内には何人もの保育士がいますが、面白いものを提供できる保育士の周りには、つねに多くの子どもたちが集まっています。

―大人のようにその場の雰囲気に合わせるなんてことは、園児たちにはできません。反対に、何か1つでも園児たちの心をつかむことができれば、一気に距離を縮められるはず。では、園児たちが面白いと思ってくれるものって何なのでしょうか?

M先生:私は絵本の題材1つ選ぶのにも注意しています。子どもたちはまだ言葉をよく知らないから、視覚的に表情のあるもの。例えば、『だるまさんの〜(シリーズ)』『おしくらまんじゅう』とか、文字は少なめで、絵だけでおよそ理解できるものとか。あと、ただ文字を読むだけじゃなくて、絵に合わせて子どもに問いかけたりすると、集中力が長続きしますね。

―絵本の題材1つ、手遊び1つとっても園児たちはシビアに反応するんですね。だからこそ保育士には、園児たちを惹きつける面白いものを探せるスキルが。鉄板ネタがあるのはもちろん、つねに新しいものを積極的に探すことも必要と言えます。

・広い視野で部屋全体を把握できるスキル
M先生:保育士は子どもたちを見ていないと何も始まりません。例えば、子ども同士で喧嘩していたとして、泣いている子が被害者とは限らないんです。もしかすると、泣いている子からちょっかいをかけていたかもしれませんから。子どもから話を聞くのはもちろんですが、1〜2歳だと上手く伝える力はありませんよね。だからこそ、保育士がちゃんと見ていないと。

―1〜2歳に事情を聞いても、上手く伝えられないのは当たり前ですよね。ただし、3〜5歳のように言葉が達者だと、自分に都合のいい事しか話さないことも。では、保育士は普段からどのように、園児たちの行動を把握すればいいのでしょうか?

M先生:私は基本的に、自分の後ろに子どもがいないようにしていますね。ただでさえ視野が限られているのに、後ろにまで注意は払えませんから。あと、他の保育士とは別の範囲(方向)に視野を向けるよう心がけています。A先生が部屋の右側にいるのなら、私は左側に注意をするみたいな。保育士が固まっていたら仕事にならないので。

―保育士といえども人間ですから、1人の園児に対応していると、つい他に意識が回らないこともあるはずです。しかし、そのままでは他の場所で事故が起こってしまうかもしれません。広い視野で部屋全体を把握するスキルも求められる訳なんですね。

Q.保育士としてこれから取得したいスキルは?

M先生には保育士に求められるスキルについてお聞きしてきました。そこで気になるのが、M先生自身がまだ足りていないと感じているスキルについてです。では、M先生がこれから取得したいと思っているスキルとは何なのでしょうか?

・子どもの特性に合わせられる幅広い知識
M先生::ハンデキャップを持っている子どもたち。自閉症やADHDとか、そういった子どもたちに関する知識(スキル)を増やしたいなと思っています。最近の子どもたちの傾向として、完全なハンデキャップでなくても、いわゆるグレーゾーン的な。この子はちょっと(自閉症とかAHDHとか)入っているのでは?と思う子どもが増えてきているんです。

―幼少期にどれだけサポートを受けられたかが、ハンデキャップを持つ園児の今後に大きく影響するのは確かです。最近では、大人になってから自閉症やADHDと診断されて悩む方も。では、保育士はどのようなサポートができるのでしょうか?

M先生::ハンデキャップについて正しい知識を身につけるのは基本です。その上で、私はこの子たちに何をしてあげられるのか、つねに考えるようにしています。例えば、急に部屋から飛び出す子がいたとして、この子は何を求めてこの行動をしているのか。どんな環境を作ってあげたら過ごしやすいのかなど。子どもの特性ってそれぞれだと思うんです。

―ここ数年の保育現場は、園児の主体性を重視する傾向にあります。ハンデキャップに限らず、一人ひとりの生活環境や性格などを考慮した環境づくりを。保育士には園児ごとの特性に対応のできる、幅広い知識が求められています。

おわりに

保育士に求められるスキル、取得しておくべきスキルについて、M先生に伺いました。

今回、伺ったスキルとしては以下の3つがポイントです。

・子どもを惹きつける面白いものを探せるスキル
・広い視野で部屋全体を把握できるスキル
・子どもの特性に合わせられる幅広い知識(スキル)

もちろん、保育士も人間ですから、それぞれに個性があって当然です。保育で重視しているポイントにも違いがあるでしょう。それでも、広い視野で園児たちの行動を把握するスキルなどは、どの保育士にも当てはまることかと思います。

ぜひ、紹介したスキルを参考に、他の先輩方(保育士)の話も聞きつつ、自分なりの保育士を目指してくださいね。