認可外保育施設の昼食やおやつは?【我が園の食事情】

更新日:2019年7月24日

保育をする上で大切なものの中に食育があります。近年その重要性が増しており、各園でさまざまな取り組みがされています。ここでは、食についての考え方や各園での取り組みについて調査します。給食のこだわりや野菜などの栽培、地域ならではの特色や地元の人との関わり、アレルギー対応などについてご紹介します。
今回は認可外保育施設の食育の事情について「いろは保育園」のKさんに取材しました。認可外保育施設ならではの悩みや対応についても伺います。

Q.認可外保育施設の給食とは?

Kさん:認可外保育施設を立ち上げた時に、苦労したものの中に給食がありました。子どもたちに栄養のある、あたたかい食べ物を提供したい。保護者の皆様の負担なく、気軽に登園して欲しいという思いを持っていたので、お弁当持参という選択肢はありませんでした。
まず給食で考えられたのは自園調理でしたが、金銭や経営的にみて調理師や栄養士を自園で雇うことや調理室の整備を整える余裕がありませんでした。
次に考えられたのは外部委託でしたが、定員が10名程度の小さな保育園。子ども用の給食を作る業者に問い合わせをしましたが、給食を食べる人数が少ないということや配達ルートの関係で取り合ってもらえませんでした。諦めそうになった時に、知人の紹介でお弁当の品出しを行っている業者を紹介されました。認可外保育施設を作った経緯や子どもの食に対する想いをお話したら、考え方が一致しました。老人ホームなどに昼食を提供していますが、子ども向けの昼食は初めてとのこと。一緒に一から作りあげていくということになりました。

Q.どのように給食は完成したのでしょうか?

Kさん:まずは、子どもに必要な栄養素やその数値を調べました。ちょうどその頃に管理栄養士さんともご縁があり、その方の力もお借りして献立作成を試みました。主食はお米、おかずは3品というこちらからの条件や想いも考慮して頂き、子どもに合わせた献立を作ることができました。
次は、提供の仕方です。お弁当の場合、毎日決まった時間に届ける必要があります。それは配送ルート的に難しいし、かといって冷たいお弁当を食べることは想いに背くことになります。そこで老人ホームの昼食と同じ形の真空パックで提供していただくことにしました。届いたおかずを冷蔵・冷凍をして、食べるときに湯煎をして子どもたちに出すという形にしました。
最後に、行政対応です。保健所と役所に問い合わせたところ、湯煎のみで調理をしている訳ではないので調理師や栄養士を常駐させる必要はないとのことでした。ごはんは自園で炊き、おかずは直前に湯煎をして子どもに提供するという給食スタイルが完成しました。

Q.おやつの提供はどうされたのでしょうか?

Kさん:給食が完成した次は、おやつについて考え始めました。おやつも市販のものではなく、手作りのものを食べさせてあげたいという想いがありました。しかし、園には調理師がいないので、こちらも外部に委託することにしました。
小麦や卵など、近年アレルギーの子どもが増えています。そのようなアレルギーの子どもたちが保育園で違うおやつを食べているという場面をよく目にしました。それは子どもたちにとって、決して良いものではありません。なので、小麦粉、卵、乳製品を使わない、みんなが一緒に食べられるものにしたいと思いました。米粉マイスターとよばれる方とご縁があり、その方に米粉を使ったマフィンやクッキーなどを納品してもらい、それをおやつで提供するという形になりました。

Q.保護者の反応はいかがでしたか?

Kさん:給食の献立は1ヶ月ごとで出してもらうので、ご利用日の給食の内容がわかるようになっているので安心だという声をよく耳にします。そして、園の食事は野菜をふんだんに使った和食が中心です。家庭では食べないという野菜もみんなと一緒なら食べられるという嬉しい報告もあります。五感の一つである味覚は、子どもの成長過程でとても大切なものです。いろいろな食材や味に触れる経験ができることも喜ばれています。
おやつに関しても、アレルギーを考慮した手作りのものなので安心です。気になる方には、成分表も公表しています。アレルギーの子もみんなと同じおやつを楽しめることにも喜びを感じています。

おわりに

認可外保育施設では、お弁当持ちでお預かりをする施設も少なくありません。その中で、子どもたちに栄養のあるあたたかい食べ物を提供したいという強い想いから、敷地や環境や人事など様々な問題を乗り越え、自園の食スタイルを形成していきました。今ある環境で、子どものために最大限にできることを考えて実践するという姿が印象的でした。
食事は、子どもの身体も心も作る大切なものです。各園とで様々な取り組みをされています。また、様々な保育園の食事情を調査していきたいと思います。

取材した保育園
名古屋市中村区名駅から10分の「いろは保育園」
子育てしながら働く誰もが笑顔になれる保育園/託児所を目指します。

トップ