「伝承遊び」ってなんのこと?
「伝承遊び」と聞くと、あまり馴染みのない言葉かもしれませんが「はないちもんめ」や「かごめかごめ」と聞くと、お分かりになる方はたくさんいるのではないでしょうか?
伝承遊びとは、遊自然発生的に生まれ、子ども社会のつながりの中で昔から受け継がれてきた遊びのことです。たとえば先に出した「はないちもんめ」なんかもそうですし、道具を使ったものなんかでいうと「おはじき」もそうです。
こどもの遊び場の減少や、地域コミュニティや人間関係の希薄化が課題として取り上げられる現代社会において、昔から受け継がれてくることで世代間を越えた遊びである「伝承遊び」を経験することは、とても大切なことのように思えます。
そこで今回はそんな伝承遊びの中から、誰もがやったことがあるであろう「だるまさんがころんだ」を紹介します!
有名な伝承遊び「だるまさんがころんだ」
それではまず、一般的とされている「だるまさんがころんだ」のルールをおさらい。
1. 場所は広めのところで人数は何人からでも。最低でも3人いないと面白くないかもしれません。
2. じゃんけんなどでオニを決め、オニは木や塀の方を向く。
3. 他の子どもはオニから 10~20m位離れたスタートラインから、「はじめの一歩!」と言って一歩前進する。
4. オニは「だるまさんがころんだ」と言ってから振り向く。 リズムをつけながら言ってもOK。
5. 他の子どもは、オニが「だるまさんがころんだ」と言う間にオニに近付き、オニが振り向くと同時に立ち止まる。
6. オニは動いている子どもを見つけたらその子どもの名前を呼び、手をつなぐ。つかまった子どもはオニと手をつないでみんなの助けを待つ。
7. オニに捕まらない子どもが「切った」と言って、オニに捕まった子どもの手をはらって全員逃げる。
8. オニは10数えてから「ストップ!」と合図をかけ、みんな立ち止まる。
9. オニは3歩だけ動くことができ、誰か一人にタッチする。タッチされた子どもが次のオニとなる。
伝承遊びの特徴として、地域によって細かなルールが違ったりするので、皆さんが遊んできたルールとは少し違うかもしれませんが、その違いもぜひ遊びの中の面白さとして幅を持たせてもいいかもしれません。
「だるまさんがころんだ」は、ルールも簡単で分かりやすいので、繰り返し説明すれば理解できるようになっています。集団で遊びやすいところが特徴のひとつです。
また、リズミカルに声をかける楽しさを味わいながら、静と動のどちらも楽しむことができ、オニになることで大きな声で相手に伝えようとする気持ちを養うことのできる遊びです。
<遊ぶ時の注意点>
・できるだけ地面が平らなところでやりましょう。
・逃げる時に友達の背中を押したりしないようにしましょう。
走ったり止まったりを繰り返すゲームなので、坂やでこぼこしたところではなく、できるだけ平らなところで遊びましょう。また、逃げる時に背中をおしたり、ぶつかったりすることのないよう広い場所をオススメします。
では、現代版にアレンジを加えるなら?
<だるまさんが盗んだ>
「ころんだ」の部分を変えたアレンジです。従来なら「ころんだ」で止まらなければいけないですが、「盗んだ」では止まることに付け加えて、いわゆる「お宝」とされるボールなどを、鬼以外の人たちで隠しながら進んで行くゲームです。止まれなかったり、お宝をうまく隠せなかったりと、だれがもっているかバレてしまったらアウトです。
だるまさんがころんだは、ルールがシンプルなので分かりやすく、またこどもたちで考えてルールを付け足したりすることがしやすい遊びでもあります。シンプルがゆえに飽きやすくもあるので、こどもたちで新たなルールを考えさせることによって、想像力も養われ、自分たちで楽しむという意識が芽生えますね。また、コミュニティや地域ならではのルールが存在するのも、伝承遊びの面白さのひとつでもあります。
おわりに
新たな発見やコミュニケーションを生む、伝承遊び
「だるまさんがころんだ」いかがでしたか?
慣れ親しんだ遊びではあっても、いざきちんと説明されてみると「こんな効果があるんだな」「たしかに想像力が養われるな」などいろんな発見があると思います。
「だるまさんがころんだ」はルールがシンプルなのでどんな年齢でも参加しやすく、道具を必要としないので平らで広い場所があればどこでもできる遊びです。また、それゆえにこどもたちで考えてルールを付け足したりすることのできる、想像力を養うことのできる遊びでもあります。
「お母さんが子供のころはこんな風にしていたよ」など、昔ならではのルールを教えてあげるのもコミュニケーションとしていいかもしれませんね。また、そういったコミュニケーションが生まれるのも、世代を越えて伝わってきた伝承遊びならではです。
他にも「はないちもんめ」や「あぶくたった」など、様々な伝承遊びがありますので、これを機会に今日は伝承遊びでこどもたちと遊んでみませんか?